フランスの地域情報プラットフォーム「actu.fr」やニュースサイト「franceinfo」などが報じるところによると、フランス南部のアリエージュ県で、野生動物との衝突を防止する装置が導入されることになったという。
フランスでは、2019年~2021年の3年間、全国で野生動物との衝突事故による死者が29人、500人を超える負傷者が発生している。アリエージュでは死亡事故は発生していないものの、危険を感じている人は多いそうだ。
装置は、杭に筒状の反射材を取り付けたシンプルな構造。これを、動物事故が多い道路脇に、10~20メートル間隔で設置する。車のヘッドライトが移動に合わせて反射されていくために、動物がいち早く方向転換するようになるという。
アリエージュのハンター連盟が中心となって2021年に実証実験を行い、一定の有用性が確認されたため、今回の導入となった。動物との野生事故が多発している県道D117の400メートルほどの区間に設置された。
この装置は2018年にフランス東部のジュラ県ですでに導入されている。France Infoによると、ジュラ県だけでなく、フランスのいくつかの自治体で同じ装置が導入されているとのこと。
スコットランドでも動物との衝突事故が問題になっているほか、日本では人間の側の被害よりも動物を死傷させてしまう「ロードキル」や、鉄道事故(それによる遅延)が問題化している。フランスでの装置は夜間限定で、昼間には効果がないようにも思われるが、このように簡便に防げる装置の普及が期待される。
※トップ画像は、france infoのyoutubeより抜粋