白神山地の冬季ニホンジカ・モニタリングの指標植物の特定――弘前大学

弘前大学(青森県弘前市)が、「『白神山地の冬季ニホンジカ・モニタリングに向けた 指標植物の特定』について」をリリース。それによると、2021~2023年の調査で、白神山地において増加しているニホンジカの冬季モニタリングの指標植物として、チシマザサが有効である可能性が示唆されたという。

本研究は、同大農学生命科学部助教のムラノ千恵氏、環境省東北地方環境事務所西目屋自然保護官事務所アクティブ・レンジャー、服部耕平氏(当時)、神孝子氏、齋藤純一自然保護官、林野庁東北森林管理局津軽白神森林生態系保全センターの髙木善隆所長(当時)、赤澤友光自然再生指導官(当時)、白神自然環境研究センターの山岸洋貴准教授らの研究グループによるもの。

ニホンジカの侵入が始まった2021年から23年まで冬季のニホンジカと在来種カモシカの糞を採集。DNA解析し、含まれる植物種を比較したところ、チシマザサがニホンジカの糞からのみ検出されたという。このことからチシマザサの食痕が、低密度期のニホンジカの生息状況を効率的に検出できる可能性があるとしている。

論文は2024年8月『哺乳類科学』64巻2号に掲載された。(論文情報

ファーストオーサーのムラノ千恵氏は、環境生態学が専門。りんご園のネズミ被害防止のためにフクロウを呼び戻すなど、自然の仕組みを利用した農地管理の研究、諸活動でも知られている。

『白神山地の冬季ニホンジカ・モニタリングに向けた 指標植物の特定』について
https://www.hirosaki-u.ac.jp/topics/97415/

※写真はイメージです。